フランスのお尻たたき禁止法案に圧倒的多数が反対

フランスで、家庭の体罰を規制するため「お尻を叩いて叱責することを禁止する法律」の制定が検討されているそうです。そんな中、その是非を問う世論調査で有権者の80%以上が制定に反対という世論調査が発表されました。

法案は、与党議員が「体罰を受けて育つと攻撃的になる」という理由で提案しているそうです。体罰は避けるべき、という声はあるものの、家庭内の体罰を「法律で一律に禁止」することへの抵抗感も強いのでしょうね。
フランスも加盟するEUというかヨーロッパ諸国は、もともと「人権」に対するこだわりの強い地域です。EUでは、加盟国に対して体罰禁止を法制化するよう求めていて、フランスの体罰規制もそのながれなのでしょうね。

他の国でも似たような状況で、数年前にはニュージーランドで体罰の全面禁止が法制化され、小学生の子供のお尻を叩いた父親が逮捕されて研修を受けるよう義務付けられる、といった事件もありました。しかし、そのニュージーランドでも2009年8月に実施された国民投票(法的な拘束力はなし)で大多数の人が体罰禁止法に反対しているとのことで、そのうち見直されるのかもしれません。

もっとも、「家庭の体罰を容認する」法律を通す(というか一度制定された規制の根拠となる法律を廃止する)、というのは禁止する法律を通すより難しいとは思いますけど。従来は「黙認」状態だった「お尻を叩いて叱責すること」を明確に「法的に認める」議論をするわけですからね。

日本でも、最近はいわゆる「しつけ」のつもりだった、として行われた体罰が「虐待」とされ親が逮捕される事件が多くなっています。家庭内の体罰に一律な基準、全面的な禁止規定を作ってもその実効性を確保するのは難しいでしょうから、まず「傷つけられている子供」を早期に発見し支援する体制をどう作るか、ですね。
さらに、学校での相談体制の強化など子供の側にも実質的な「防衛手段」を持たせ「逃げ場」も用意できれば良いのですが。