その夜、私はピアノ教室の、いやピアノ教室のお尻たたきのことが浮かんできてなかなか寝付けなかった。

チャンス、なのかしら。
これまでずっと望んできたものが、目の前にある気がする。でも、ピアノはそれほど好きではないし...。
いいわ、とにかく一度行ってみよう。

私はそう決心すると、明日にでも先輩にピアノ教室には入れそうか、聞いてみることにした。

それにしても、もうずっとお尻をたたかれる機会なんてなかったわね。
幼稚園の頃は、先生にお尻をたたかれる子を見たり、また自分も時々お尻をたたかれていたっけ。あの頃からお尻たたきが好きで、わざとお尻をたたかれるようなことまでしたこともあった。小学校に入るとそんな機会もなくなって、本やネットでお尻たたきが出てくる話を夢中で集めたりしたっけ。

また、たたかれてみたいな。

その夜、なぜか先輩にお尻をたたかれている夢を見た。

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